ーTOPへ戻るー
 この8月にライフワークであるタイに於ける蝶の地理的分布とその異変の研究を目的に、虫屋仲間とタイ北部に行ってきました。
現在タイにハマっております。なんでタイがすきになったのでしょうか。勿論虫屋にとって、南北に広がる広大な自然林は生物の多様性の面で、新知見の可能性を秘めた魅力なのですが、なんといっても、微笑みのタイの標語にあるように国民性において、穏やかで、はにかみやで親切な雰囲気は、外国人から見た日本人観に似ております。即ち日本人にとっても、親しみ易い国民性なのでしょう。特に地方に行くとどこの国でも共通な素朴さは一層好きになります。
背景には仏教国であり、慈悲と感謝の精神が生活習慣となっており、御礼の仕草が胸の位置に両手を合わせて軽く会釈をする事に象徴されます。思わずこちらも同じ仕草で返す程自然なのです。同じ仏教国ではありますが、国教であることによる、幼少の頃からの教育の違いでしょう。そればかりでなく大切なのは、歴史を見ると、過去に一度も列強の植民地になった事はなく、幾つかの国との地続きであるにもかかわらず、大きな侵略の脅威を経験した事がなかったことも、争いの気風を持たない国民性となったのではないかと思われるのです。その点も日本と似ており今日の日本人のヒトの良さと合い通じるのです。
もう1つ大切な事は、この安定の素地を築いた歴代の卓越した、政治力と国民に対する敬愛の精神の継承は、1400年代から変わらず、それが故に安定をもたらし、国民から絶対の信頼と、尊敬を得ておるのは周知の如くです。この点も日本と似ているところです。
今年は、プミポン王の在位60周年に当たる年で、どんな田舎に行っても、お祝いの王室の黄色い旗と、国旗が玄関口に立てられているのには、驚き、感心し国民の王室に対する敬意の深さが表れております。絶えず帝国が入れ替わった某国の歴史故に、保身にたけ、したたかで、二股膏薬といわれる国民性を醸造した国とは違いがあるのです。

食べ物もまた日本と似ております。タイの食文化の基本は醤油文化であります。魚醤ですがよく使います。異なるのは南国であるが故に香辛料が豊富であることです。味付けも油文化と違い、くどくなく、日本人の味覚によく合う事は多くの日本人の意見と一致します。なた南国ではならではの果物、マンゴスチンやロンガン、マンゴー等豊富で楽しみの一つです。そしてなによりも物価が安いの、のん兵衛にとっては、特にビールは安く、旨く、有難い。マズワビール(先ずはビール)が合言葉となっております。チェンライの街のどこにでもある小さな食堂、そこで食した豚の骨付きすね肉のシチューには大げさに感動しました。直系13cm、長さ25cm位、3人で食すには十分すぎる量です。醤油をベースに何時間も煮込んだであろう肉は、脛の発達した筋肉にもかかわらず柔らかく、油は殆どなく、ゼラチン質のプリプリ感。上に散らしたパクチ(香菜)と一緒に口に運べば、爽やかな香りと、肉のとろけるような美味しさに思わず感動のうなりとなるのです。ビールとよく合い、頗るつきの満足でした。なんとそのお値段、日本円に換算すると150円。

そんなこんなでタイにハマっている訳です。
安心して過ごせる美しい国で、旨いビールと食べ物、ヒトの優しさに触れれば、幸せな気分になれること、間違いありません。

それにつけても日本の物価の高い事、年々海外からの観光客が減少しているのもうなずけます。先ずは、ホテル料金は一人幾らはやめて、一部屋単位にすべきと思うのですが。交通機関の料金のなんとかならぬものですかねー。
国内旅行を1週間するより、10日間のタイ旅行の方がずっと安く、海外へ旅行する人が増えるのは良くわかります。なんとか考えてください、旅行社の皆様。

会長の独り言(その十五)
                          閑話休題