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 エタノールその後

昨年エタノールについて書いた事がありますが、最近になって世界中でブームになっておるようです。しかし原料になるトウモロコシ、大豆等が従来の食用油生産より、エタノール向けに生産をシフトしている様で、結果マヨネーズが値上げとなっているようです。さらにトウモロコシを食餌にしている家畜の価格も騰がる様相を呈しております。こちらを立てればあちらが立たずという図式、我国では余分な土地もなく、廃材を活用してエタノールを抽出する計画がありますが、コスト的に合わないようで、サトウキビや大豆の方にシフトされるのではないかとの懸念があります。この次はトウモロコシや大豆の代替製品を研究するのでしょうかね、まさかこちらの方も廃材を利用して飼料や、食用油を作ろうって事にはなるのですかね。
バイオエネルギーを考える場合、片方で食糧確保との兼ね合いで、元になる植物の増産が次に出てくる問題で、これらは限られた地球において、生産用の土地の開拓に繋がり、自然破壊がすすみ、クリーンなエネルギーといいながら逆に新たな環境問題を助長し、地球温暖化を一層急速に助長するだけである事を考えた事はあるのでしょうか。人間とはそもそもいいことをしながら同時に、悪いことをする矛盾に満ちたどうしようもない生き物なのですね、なまじ他の動物より智恵に恵まれた才能を神から賦与された事ゆえ起こる問題であるのでしょうね。
食糧に影響を及ぼすこの計画よりハイブリットカーの促進や、EUの主体となっているディーゼルの研究、天然ガス車の促進、電気自動車の開発の方がずっと有効なのではないかと思うのです。今後は原子力発電所を普及せざるを得ない状況で、アメリカだけでも26箇所計画があるようです   アメリカは最近になってようやく、排出ガス規制の京都議定書に合意したことに関係するのでしょうか   が、それまでは高値を我慢しなければならないのでしょうか。
その前に、言わしてもらえば、原油価格を下げさせるべく、国連でも検討すべきであります、世界の高所得社の上位3位まで、全て石油メジャーなのです。これは儲け過ぎの証拠。何んと言っても地球規模の問題なのですから。

最近の新聞記事の中で、トヨタ自動車が国内の自動車販売が低調な事への対策に、車を利用した旅行を促進すべく、旅行社と提携し需要喚起するとのことには、笑いを通り越し、人間の勝手さに、ただあきれるばかりなのは小生のような、へそまがりだけなのでしょうかね。
車を利用しない理由を良く考えてみる事です。先ず道路事情の悪さ、ガソリンが高すぎること、或いは環境に考慮してなるべく車に乗らない等があるはずです。増やす事ばかり考えずに、得意のコストダウンの如く減らすことも考えなくてはなりません。

今を去ること、2600年前、中国殷の紂王が象牙の箸を得た、これを見た宰相伊尹は言います、「これで我国はおしまいになる。」これを聞いた人が尋ねます、「なにゆえ、滅びるのですか。」伊尹は言います、「象牙の箸を得たと言うことは、それにあった食器を次に欲しくなる、次にそれに合った豪華な食事を欲しくなる、そして傍にはきれいな女をおきたくなり、そうして奢侈はとどまることなく続き、ついには人民をかえり見ることしなくなり、欲望に溺れ最後には国が滅びるのだ。」。そして伊尹の言う通りになり、酒池肉林の快楽に溺れ、ついには周の武王によって殷は滅びたのです。
こうしてみて見ると、2600年人間の本質は変わらずおろかな事の繰り返しをしているのです。

今でも通じる話です、この故事を各為政者即ちリーダーは心して記憶にとどめておきたいものです。さすればバブルなど発生しないし、放漫経営に陥らず済むのです。大きくは、商売においては「義」それも公儀と言うことに根本があるはずなのに、過度な競争社会は拝金主義、自分だけ良ければという考え方が蔓延し、今日のような義もなければ信もない社会にならなかったはずです。まして環境問題も今日の様になっていなかったかもしれません。


「足るを知る」良い言葉です。



会長の独り言(その二十六)
                          閑話休題