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  イルミネーション

今年も残り僅かになりました。クリスマスイブのニュースに何とクリスマスツリーのイルミネーションのニュースが多いのには驚かされます。見事な光のページェントが街の広場やビルの谷間、街路樹に怪しくもあり幻想的でもあり美しく輝いております。
光のページェントは神戸ルミナリエが有名で、12月の光の大デコレーションで飾り、今や神戸の大風物詩となっております。ウイキペディア百科事典によると、1995年1月の阪神大震災のあとに12月に犠牲者の鎮魂と街の復興を願い催されたのであります。当時神戸の人々言うにおよばす、日本国中の沈んだ気持ちに正に光を燈したのであります。
このルミナリエ(イルミネーション)は1995年夏和歌山マリーナシティが始であったようで御座います。その後神戸のあとに1999年年始のイベント「東京ルミナリオ」が丸の内を飾り、次々に日本国中に拡がり、「北海道大通り:ホワイトイルミネーション」、「横浜みなとみらいのイルミネーション」と次々に冬の夜空を七色の光で染め上げていきました。

今年になって、暮れのニュースに六本木ヒルズ、丸の内フラワーファンタジア、レインボウブリッジのイルミネーション、アーバンドッグララポート豊洲のBlue&Whiteクリスマス、タカシマヤタイムズスクエア・クリスマスイルミネーション、銀座ミキモトのイルミネーション、等々と東京の主だった物だけでも斬様であり、各繁華街の小規模のイルミネーションクリスマスツリーは数知れず、北は函館、仙台はもとより大阪、九州地方と日本列島は競い合い電飾列島となっております。
以前宇宙から見た日本列島がはっきりそれと分かる位赤々と輝く映像を見たことがあり、北朝鮮の真っ暗な姿と比べると日本経済の豊かさの象徴と見えたものです。この日本ページェントに感動し、心豊かにさせてくれたことは紛れもない無い事です。
この様な大規模なイルミネーションを可能にしたのは近年のLED(光ダイオード)の普及とその色の開発力によるもので、過去のネオンと比較すると、コスト的にも、消費電力にしても比較にならぬほどの低さであり、技術水準の高さを物語る物であります。



しかし、しかしこれでいいのか・・・と釈然としない感があります。


いま世界中が石油高騰に苦慮し、経済活動に支障をきたしており、省エネ対策に頭をいためているのも一方であります。
第一次石油ショックの時は日本列島を震撼させたもので、銀座をはじめ、繁華街からネオンが消え、全国民が省エネに協力し、重厚長大の時代から軽薄短小へ構造変換へとハンドルを切り、見事に乗り切ってきました。技術の進歩は著しいものがあり、半導体は省エネの主役となりました。この間日本の経済はJapan as No.1
と世界中でもてはやされ、やがて円高も克服し、バブル発生が起こるほど経済を膨らませ、国民皆飽食となりました。バブル崩壊後、長い時代を倹約とワールドワイドな展開力でやっと乗り切ったかと思ったら、今度は、温暖化・石油高騰と人類の根幹のところで問題が浮彫りになっております。
我が国民は過去の幾たびの辛酸を忘れてしまっているのでしょうか。この石油高騰に、かつてのようにネオンを消したとも聞こえません。
豊飾に酔っていてよいのでしょうか。。いくらコスト的に安く、消費電力が少ないと言っても、何十万個いや何百万個のLEDを生産するにはどの位のエネルギーが使われているのでしょうか。
今日、神戸ルミナリエは維持費がかさみ、赤字が累積しており来年の開催が危ぶまれております。やはりイルミネーションはそれなりにコスト=エネルギーがかかってる査証なのです。


「喉もと過ぎれば暑さを忘れる」と言う位人間はどうしようもないのでしょうか。
もう一度あの時代を温ね、今を反省しなくてはならない時なのではないでしょうか。
「温故知新」といってもついこの間のことではありませんか。国民皆アルツハイマーにならないようにしたいものです。




会長の独り言(その三十二)
                          閑話休題