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 Ta Keo

Preah Khanを後にし、往た道を戻り、Angkor Thomの北門を抜け、像のテラス前の東路を行く。東門(勝利の門)をくぐる。Ta Prohmに行った時通った道である。T字路の交差点に近くにピラミッド様式のTa Keoがある。南に曲がればTa Prohm方向である。この寺院は紀元957年に、ヒンズー教の神に捧げる為、シャヤヴァルマン5世の時に建設が開始されが、王の死によって、工事が中断された。そのため砂岩の石組構造物がそのままで粗く、彫刻等の仕上げが施されていない。正に加工途中の姿そのものである。
寺院は基壇が3層をなしている。最上段には4つの祠堂があり、中央に一段高い中央祠堂をもつ様式で昨日訪れたPre Rupに良く似ている。高さは20m。これらの祠堂は石を規則正しく精巧に組み上げられているが、壁にはデヴァターはもとより、レリーフも施されておらず、途中工程の姿は建築工程を見るようで面白い。外壁部分はラテライトの赤い壁は行程の最初の部分であろうか完成している感じである。東西南北にある塔門の上部に飾られるレリーフが中庭に置かれているところを見ても外壁から完成していくのであろう工程が覗える。この外壁は東西120m、南北100mで囲んでおり、外壁の門をくぐると、内側には更にもう一段高い周壁があり、こちらは東西80m、南北75mである。この周壁にもそれぞれ塔門があり、やはり東門が正面で最も立派である。内側の壁面もラテライトを積み重ねて造られており、それが縞模様となって美しい。基壇の1段目の階段を登ると、更に急角度の階段があり3層部分にある祠堂群のある基壇へ続いている。これはPre Rupのより急で長い階段である。登るには良いが、降りるには危険で遠慮する。内側の周壁をくぐると広い中庭があり、経蔵がある。これらは途中工程の建物で、回廊部は瓦礫と化し柱のみ残っているのと、傾いた建物がある。これらは屋根の部分はなく壁までで中断したことを物語っている。全体的には全建築工程の30%位ですべて中断したようである。石組みだけのなんの装飾を施されていない為か、風雨にさらされ、朽ちているような印象がなく、むしろ新しい近代建築のようにも見えるのが不思議である。
Angkor遺跡群の中で特異な存在であろう。

会長の独り言(その四十五)
                           閑話休題