- トップに戻る -

梅雨の合間の一時、東北の山裾で虫採りを楽しんでいました、そこに地元の農家の人がトラックを止めて話し掛けてきました、「何を採っているのですか。」との質問に、採った蝶を見せると興味を示し、虫の話になりました、「満月の日にオニヤンマが沢山出てくるよ。」との話に驚きました、蟹や珊瑚が満月の日に産卵する事は良く知られております、潮の満ち引きに関係するのかもしれませんが、地上に生きるオニヤンマも満月の日に羽化するなど聞いた事も、読んだ記憶も無い私ですが、いや、ひょっとすると専門家の常識であるかも知れませんが、とにかく私にとっては初めて耳にする事です。よく考えて見ると、元はと言えば動物の原型は海の生き物であった訳で、何億年もDNAのどこかに残されているのかもしれません。トンボについても、ヤゴは水の中で生きているのです。
「蟹は満月に産卵する事は聞いてますが、トンボもそうなんですかね?」
「蟹は、この辺では沢蟹で、満月には一杯出てくるよ、トンボといってもオニヤンマだよ、オニヤンマも同じに満月に沢山孵るよ。」との事、多くの昆虫は、夜明け前より羽化を始める物が多く、夜に羽化するかは疑問はありますが、はっきりしている事は、毎日畑に出ており季節の変化に敏感で、しかも昆虫にも興味を持ってる人である事からして事実でありましょう。色々話を進めて行くうちに、よく自然を観察しており、環境問題から有機農法にについても詳しく、真摯であり、感銘を受けた次第です。
兎にも角にも現場の人の話は勉強になりますし、知識だけで物事を計る事がいかに判断を誤させるか、実態をよく観察する事の大切さを再認識させてもらったような気がします。
それにつけても現実の政治の世界は寂しいもので、実態を知らず現場を知らない政治家が、金融政策だ、税制改革だとやっているものだから一向に経済は良くならないのだろうと思わずにはいられません。



区切り線
会長の独り言 (その二)
閑話休題