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タイの友人から、桜の便りの返信に、ゴールデン・シャワーの便りが届きました。
小生も2年前4月の上旬にタイを訪れ、ゴールデン・シャワーに感動した思い出があります。

ゴールデン・シャワー――黄金の飛沫――とは???
これはタイの国花です。正式には                           

  学名:Cassia fistula

    和名:ナンバンサイカチ

  英名:Golden Shower

    ジャケツイバラ科(マメ科) カワラケツケイ属
 インド原産の落葉高木、果実のさやや樹皮は薬用となる。

タイ語で「ラーチャ・ブルック」と呼ばれ、「王の樹」を意味します。花は黄色。
輝く黄色、三原色の黄色そのもの、熱帯の原色と表現がいっぱいありますが、やはり黄金色がぴったりでタイの青空によく映えます。中国でも歴代皇帝の色は黄色であり、タイでも又同じ発想からかも知れませんが、この鮮やかな黄色は正に「王の樹」にふさわしいのです。
花は同じマメ科のフジの花と同じに房状で、10m位の樹に4・50cmの花房が幾重にも垂れさがって咲いており、正にゴールデン・シャワーそのものです。この樹の数キロに続く並木道を歩くと、それはもうエルドラドで金の飛沫を浴びている如きで、ゴージャスでリッチな気分になれることうけあいです。この時期に咲く他の、カエンジュやブーゲンビリヤの花は、この花の添え物で、引き立て役にすぎません。王様の貫禄です。         
日本の義経千本桜の舞台の優雅さ、絢爛さとは趣が異なり、桜は女性的で、ゴールデン・シャワーの方は男性的、明るさ一点張りの南国ならではの趣きです。
同じ国花、それぞれ
感動をあたえてくれます。

 さて、和名がナンバンサイカチであるということは、日本にもサイカチ(別名カワラフジ)がある訳で、まだ見たことはありませんが、図鑑ではこちらは夏に黄緑色で比較的地味な花が咲きます。実は曲がりくねった20〜30cmの灰色の豆果をつけ、樹皮は同じように去痰薬、利尿薬として利用されており、また実にはサポニンが多く、石鹸の役割をしたりと、薬としての方が知られておるようです。
面白いのは百科事典によると昆虫サイカチ
マメゾウムシ(マメゾウムシ科)の食樹であり、サイカチの実は、硬実種子であり、種皮が傷つくまで吸水できず、落下した果実からはそのまま何年経っても発芽が起こらない。しかしサイカチマメゾウムシの幼虫が中に入って、雨のときにその幼虫は溺れて、種子は吸水して発芽するという、雨が降らなければそのまま成虫になるとあります。サイカチの戦略には驚かされます。
また、サイカチの幹から、クヌギやコナラと同様に樹液がよく出
て、カブトムシやクワガタムシがよく集まる(地方名にクワガタの事をサイカチ(ムシ)と言う所がある位です。)との事です。
してみるとゴールデン・シャワーはどうなのだろうか、興味は尽きません。
同じようにマメゾウムシの様な虫が、発芽に関係しているのか、はたまた、樹液が出るのか、出るとしたらタイに生息する虫屋垂涎のゴールデンオニクワガタが集まるのではないかと想像するだけで心が躍る小生は少し、いや、だいぶ怪しい。

また、ひとつタイへ行く理由が見つかった訳です。








  会長の独り言(その九)
                              閑話休題